第223話

ソーン邸

昼食の支度が整うころには、エイラとベアトリスはすでにキッチンのアイランドに陣取り、サラダをつつきながら、スープに塩を足すべきかどうかで言い合っていた。

呼び鈴が鳴った。

「私が出る」エイラが言った。

玄関の段に立っていたのは配達員で、片腕に白い菓子箱を抱えている。黒いジャケットの肩には雪がうっすら積もっていた。

「エイラ・クロフォードさん?」

「はい」

彼は箱を差し出した。ふたには金色のロゴが押されている。エイラはひと目でわかった。スターリング領内の菓子店のものだ。たいてい事前予約が必要な、ああいう店の。

「誰かさん、ずいぶん洒落たことするじゃない」キッチンからベアト...

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